コラム「説く盛りどんぶり」 73杯目
トンからグラム
経済のソフト化サービス化と良く言われます。
男は外で働き、女は子供を育て家事をする。
そんな構図はまったく当てはまらなくなり、男も子育てを手伝うし、食事の支度もするようになってきた。
日本での夕食を作る時間は平均40分位だそうですが、アメリカでは15分で済ませているそうです。最も、その時の場面によって異なりますから、平日の一般的にということでしょう。
3世代で住むような家庭は少なくなり(嘆かわしいことですが・・・)夫婦と子供一人か二人、それも離婚するケースもかなり多いので、よく総務省が出したりする、夫婦に子供二人というような平均的な家庭そのものが減っているのでしょう。(東京都豊島区は世帯人員1位が一人)
米の世界もトンの商売は利益が極めて少ないですね。10トン車1台で動かす場合は電話賃というか、情報料みたいなものでしょう。米は一俵単位ですが、現状は30kgの紙袋なので30kg一袋二袋となります。そこで付加価値は少し増え、次に白米10kgあるいは5kgとなります。
以前はここでかなり利益を稼ぐことができましたが、玄米価格が1俵1万4千円から1万7千円位の間に集中していますから、その最安値の攻防になって薄利になっています。それがご飯になるとグラムの世界になります。出来たての惣菜やご飯を量り売り、グラム100円か150円で販売しているチェーン店が成長しています。100グラム100円とはトンにすると100万円ですね。しかも、粗利益率は軽く50%以上です。
白米10kgニィキューパーレイで買う同じ人が10kg1万円の惣菜を買うのです。
それは、料理を作る時間と手間を「買っている」わけで、素材を買う動機とは違うのです。
規模を追う時代は終わりました。何万トン何十万トン米を動かしていると時代感覚がマヒしてしまうのです。恐竜は時代の変化について行けず絶滅しました。今こそマーケティング発想が大事だと思います。
みのる
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