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私たちが考えるお米のこと 第1回

私(当社)のこだわり  シニア会 中山泰次

自分には、こだわりなど無いと思っていたが、近頃、そうでもないかもしれないと…。何でも私のルーツは武家の出で、明治の初めの廃刀令により、中屋という屋号で米の商いを始めた。麹町は皇居に近く武家屋敷町で、米麹の由来で麹町の名が付いたようだ。つい最近まで当社には、オリジナルブランドというものは無かったのだが、或る時、役員が減農薬有機農法の試食用米を持って来たので食べたところ、なかなか旨い味で気に入った。商品化するには名前をつけねばいけないと、色々考えたが、なかなか納得する名を思いつかず、諦めかけた時、ふと、麹町というブランドはどうだろうという事で≪ザ・麹町≫なる商品が出来上がった。社名は麹町米穀⑭なのでピッタリではないか。今年に入って取引が難しい最大手のデパートが外商販売で扱いたいといってくれ、お付き合いが始まったり、著名人が食べてくれている。こういう展開になったのは多分、私(当社)のDNAの中に≪麹町≫が組み込まれていたのかも知れないと考えるに至った。このことは一体何を意味するのだろうか?意識の中には、「無いと思っていたこだわりが実は無意識下に、自分が育った土地(環境)であり、先祖から受け継いできた麹町という地名という形で、渦巻いていた」のかも知れない。思うに、個人にも、企業にも、こだわりは、おおいに必要だということだ。そして恐らくこのこだわりは個人と企業のプライドまでを育て上げる可能性を持つのではないか。永い歴史を経て、生を得た自分にしかない良い意味でのプライドは育て、継承させていきたいものだ。こだわりは米穀関連業者受難の時代である今、生き延びる為の活動の原点であるに違いない。その意味では自分(会社)のこだわりは何なのか、再考してみることは価値がある。

シニア会 中山泰次

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