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コラム「説く盛りどんぶり」 47杯目

赤と黄色のない世界

ご縁があり、伊勢を訪問した。
朝、お参りしようということになり、午前五時の開門を待ちながら凍てつく橋を渡った。
凛とした雰囲気の中を進んでいくうちに、あることに気が付いた。
それは、赤や黄色が無い世界なのだ。
我が日本も街は「赤と黄色」が占領している。マクドナルドなどがいい例だが、一番目立つ色なのである。
伊勢神宮は、大きな意味で日本文化や政治、国づくりの歴史そのものである。
樹齢数百年あるいは千年はあろうかという大木が連ね、お金では買えない時間の積み重ねを感じる。
鳥居も塗装はしていないし、建物も出来る限り素材そのものの良さを導き出している。
京都の寺などは、かなり朱色や金色の装飾がなされているが、それは無い。
小生はもちろん専門家でもないし、詳しい知識はないが、日本という国家の体制がいつ頃固まったのか、あるいは「日本」という国の名称はいつ頃決まったのか、日の丸という国旗は同様に定かではないが、日本における神様とは、天照大神で、見返りを一切要求しない「太陽」をイメージ、それが「日の丸」に結びついていくと私は勝手に解釈している。
国づくりの神話は歴史のある国なならどこでもある。
神話には天照大神がニニギノミコトに稲を授けたところから始まる。
稲作は日本文化そのものだということは、そこから生まれている。
日本文化は「共同体」そのものだ。
今は、その共同体が崩れさっていることが最大の問題であると思う。
大都会は共同体などほとんど無い。
私もマンションに住んだ経験があるが、本当に付き合いがない。
しかし、根が深いのは田舎の学校などにイジメが多いことだ。
やはり、日本の歴史を教えなくなった戦後の教育が一番悪いと思うのです。それはGHQの戦略であったことは証明されている。
ある政治家が「日本も普通の国になる必要がある」と云いましたが、
世界中に普通の国などありはしない。標準ということはないと思うのです。
朝鮮半島が普通ですか、中東が普通ですか、EUでもそれぞれ異なります。ユナイテッドステイツオブアメリカが普通なのでしょうか。
そんなことはありません。アメリカも特殊な国なのです。
前にも述べましたがグローバルスタンダードという言葉に騙されてはいけないと思うのです。
それぞれの国の歴史や文化を認め、尊重し、国際社会で協調していくことが重要であると思います。
日本は白人社会が支配している先進国で唯一の有色人種であります。
今、大人たちが一番勉強しなければならないのは誇りある日本の歴史ではないでしょうか。
赤と黄色のないところに行くこともたまにはいいものです。


みのる

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