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| 36杯目 紅葉の季節に想うこと |
久しぶりに紅葉を見に行った。南に住んでいる人間にとって北の紅葉の美しさは経験のない景色で感動ものである。学生時代にふとしたことから、福島県の同窓生に誘われて日光に行く機会があった。東京でおなじ寮に住んでいると全国各地から来ているので、お国自慢が盛んである。私なんぞは、冬でも半袖だなんて(風が吹かないときはほんとに暖かい、日差しの強い日は、車の中でクーラーをつけるくらいである)自慢していた。実は、紅葉にあんまり期待してはなかったので、道中の電車の中では寝ていたが、バスに乗り換えた後のいろは坂で目がさめたときは、本当に目がさめた。山が燃えていたのである。そこここに、ぽつんぽつんとかえでやはぜの木などが赤くなっているのは、子供のころからの見慣れた紅葉の景色で、南ではそんなものである。緑のほうが圧倒的に多く、なんで紅葉狩りとか言って騒ぐのか理解出来なかった。しかしあの山が燃えているのを見て言葉を失ってしまった。秋晴れの天気がよかったせいもあって空は真っ青で高く、山の木々は赤く又黄色く、緑などは殆ど影もなかった。山じゅうがまっかっかだった。中禅寺湖の湖畔で木々の下から見るとさらにあでやかで太陽の光に透かされてもっともっと輝いていた。あれから30数年が過ぎて今回2度目の紅葉の日光であった。時節も同じく10月末で、期待していったが、あいにくの曇り、小雨でしかも今年は遅れているとの事で以前のようにはいかなかった。暖冬のせいかもしれない、「今年は色がもう一つだね。」とは地元の人の言葉である。 今日現在は11月の半ば過ぎであるが、ニュースではいまが見頃と映像を交えて報道があった。さぞかし道路は混んでいる事だろう。当地でも1000mくらいの山に行くと緑の中にぽつんぽつんと真っ赤になったカエデなどを見ることが出来るようになっている。イチョウはまだである。一度いまの季節に白河の友人のK氏とゴルフをご一緒する機会が有ったが、その時は、イチョウの木がまっ黄っ黄で、風に葉っぱがはらはらと舞い落ち、それはそれはきれいな風景だった。葉っぱの下にボールを打ち込むものなら、即座にロストボールになった。でも不思議とまったく腹が立たなかった。(いいところに住んでいますね) 毎日毎日、景気、経営の事に思い悩んでいると、なかなか季節の移り変わりや、自然にあるもののすばらしさに気がつかずに通り過ぎてゆくことが多く、唯物的になってしまう。 どんな時代でも、心だけにはゆとりと豊かさを持ちたいものだと思う。 BON |